神田の唄

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女性必見!熊本地震で話題のエコノミー症候群の解説と対策

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熊本地震で死者を出したサイレントキラー、エコノミークラス症候群は女性に発症しやすい

mainichi.jp


熊本地震の影響で車中泊をしていた女性がエコノミークラス症候群を発症し、亡くなられました。

熊本地震に限らず2004年の新潟県中越地震の際も問題となったエコノミークラス症候群ですが、圧倒的に男性より女性の方が発症する確率が高いです。

今回、不幸にも亡くなられた方も女性でした。

これ以上被害者を出さないためにエコノミークラス症候群についてyahoo!ニュースをはじめとする各種メディアで「運動するべき」「水分をとるべき」と対応策が広報されてます。


でも「どれくらいの運動をするべきなのか」「どれくらいの水分を取るべきなのか」について具体的な内容に触れているものが無かったので詳しく解説させてください。

エコノミークラス症候群は対策自体は上記にあるように運動と水分接種といった単純なものなんだけど、防ぐのが難しいんですよ。

なんとなくの運動や、水分接種をするのではなくある程度ルール化していかないと防ぐことはできないし、なによりもエコノミークラス症候群の発生機序についても知っておくべきです。

どこで、どのような原因で起きるのかをしっておくと応用を聞かせられるし、具体的な対策を立てられます。

正直いって長い内容になるんだけど、命にかかわることだから知っておくに越したことはないです。

震災に巻き込まれた時に車中泊を余儀なくされる可能性もあるし、震災に限らずデスクワークの増えた現代ではエコノミー症候群を発症する確率は高くなってますからね。

特に発症率の高い女性の方には「なぜ」「どうして」エコノミークラス症候群が起きるのかを知っておいて欲しい。

 

 

 

 

そもそもエコノミークラス症候群って何よ?

エコノミークラス症候群は別名、深部静脈血栓症(Deep Vein Thrombosis:DVT)と言います。

最初に大枠を理解してもらう方がわかりやすいと思うから、簡潔に伝えると

筋肉の間や中にある深い部分の静脈が、何らかの原因で血流が悪くなり、その状態が続いた時に血栓ができてしまうこと」

となります。

血栓ができるだけなら命に問題がおよぶことにはならないんだけど、問題は血栓が剥がれて肺に血液を送る血管にふたをしてしまう可能性があることです。

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http://ameblo.jp/bikotsudo/entry-12021117709.html


上の図が示す通り、肺に動脈に血栓が詰まることで呼吸困難を起こしたり、ショックによる失神を引き起こす可能性があります。

重度なものだと命を落とす危険なもので、肺に血栓がフタをすることから肺塞栓症(はいそくせんしょう)と言います。

この肺塞栓症が命をうばう直接の原因なんだけど、肺塞栓症がおきる理由は元をただせば深部静脈で血栓ができたからです。

だから深部静脈における血流の悪化を防いで血栓ができないようにしようと各メディアは訴えているわけですね。

エコノミークラス症候群は名前の通り飛行機のエコノミークラスで移動していた人間に発症しやすいことからついた名前です。

 

 

 

 

エコノミークラス症候群の名前に惑わされないように

エコノミークラス症候群の名前をみると飛行機に乗った人間が発症するかのように感じるけど、長時間同じ姿勢をとりつづける状況であれば関係なく発症します。

そもそもエコノミークラス症候群の名称をはじめて用いたSymington氏は自動車利用後、船舶利用後、列車利用後にも同様の症状があらわれたことを発表しているんですよ。

エコノミークラス症候群はキャッチーな名前も相まって広く使われているけど、エコノミークラスの部分が重要なわけじゃないです。

震災のたびに車中泊をしている人がエコノミークラス症候群にかかったとニュースが流れているからね。

まぁ、確かにエコノミークラスは長時間座ったままになる環境だし、湿度が低くて水分不足に陥りやすいのは間違いないけど名前に惑わされないように注意です。

最近はエコノミークラス症候群という名前は誤解を生むから別の名称で呼ぶ動きも出ています。

毎回エコノミークラス症候群というのも長いから、ここからは別名の深部静脈血栓症(DVT)で呼ぶね。

 

 

 

 

深部静脈血栓症(DVT)の発声箇所と発生機序について

動脈と静脈の関係

血流のことを話す上では「動脈」と「静脈」について言及する必要があります。

動脈

動脈は心臓から血液を全身へ運ぶ役目をもつ血管。動脈における血液の流れは心臓の拍動によって生じます。心臓から送り出される勢いの良い血流を受けても血管組織が破れてしまうことがないように弾力性が高く膜の厚い血管となっている。

静脈

静脈は全身の血液を心臓に戻すための血管。重力に逆らって血液を運ぶ必要があるため、逆流を防止するための弁がついている。この弁により静脈内の血液は一方方向に流れる仕組みとなる。静脈内の血液の流れは、筋肉の収縮、弛緩によるポンプ作用に大きく依存する。

 

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http://www.ashidmdcl.com/clinic/junkan/kekkan/


心臓→動脈→全身→静脈→心臓が一連の流れになるんだけど、DVTは静脈からうまく心臓に血液を戻してあげられないことが原因で生じます。

静脈の特徴で書いたけど静脈が血液を心臓に送るには「筋肉によるポンプ作用」が重要なんだ。

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https://www.kango-roo.com/sn/k/view/1584

こんな具合にね。

長時間座った状態だと足の筋肉を収縮、弛緩させて筋ポンプ作用を作り出すことはできないからね。

必然的に血流が悪くなるということです。

 

 

 

 

深部静脈血栓症(DVT)の発声箇所と発生機序について

DVTが起きる発声箇所は9割が足です。


深部静脈は腕にもあるけど、腕にできることは滅多にないです。血流が悪くなって血栓ができるのは基本はだと覚えておいてください。とくに膝裏の辺りに血栓ができやすいです。

理由として腕は空中に浮いていることがほとんどで、のように圧迫されることが少ないからね。

車中泊のようにずっと座っている恰好だとしても「髪をかきあげる」「顔をさわる」「モノを取るために手を伸ばす」など腕の筋肉を使って筋肉の収縮と弛緩を繰り返すからね。

血流が悪くなる可能性は低いんです。

反対に足は太ももの裏や、膝裏が自分の体重とシートによって挟まれ圧迫されますよね。歩いている時は筋肉の収縮弛緩はあるけど、座っている時は腕に比べて動かすことも少ないし血流が悪くなりやすいのです。

ただでさえ、血液は重力に従って足にいくからね。

鉄棒にぶら下がってアタマに血が上る経験をした人ならわかると思うけど、常にあの足はあの状態なんですよ。

何もしなければ足にどんどん血が貯まっていきます。

ニュースサイトだと足を定期的に動かしましょうと訴求しているけど、それは座りっぱなしだと重力の影響と筋ポンプ作用が働かないので足に血が貯まっていくからです。

だから「足を動かして血液を心臓にもどすようにしてあげてね」ってことですね。

 

 

 

 

静脈にある弁の部分に血栓はできる

血流が悪くなることにより血栓ができるのは前述の通りなんだけど、具体的に血栓ができる箇所をあげると静脈についている血液の逆流防止用の弁の部分になります。

 

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http://graphicwitness.medicalillustration.com/generateexhibit.php?ID=38483


血液は重力に従って逆流しようとするけど、弁の機能によって防いでいるわけです。

でも、弁の所は構造上血液が停滞しやすくなるんですよ。図の通りね。

で、血流が悪い状態でずっと放置しているとどんどん血液の塊が大きくなっていきます。

そして最終的には血栓の一部がはがれて、それが肺にいく血管にフタをしてしまうわけですね。

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血が固まるのは出血を防ぐときに大事な要素なんだけど、問題を引き起こすこともあるということですね。

 

 

 

 

深部静脈血栓症(DVT)を起こしやすい体質はあるの?50代~60代の女性は要注意ですよ。

血栓ができる機序については前述の通り、静脈部分での血流が悪くなっていることが1番の要因です。

基本的には不動により筋ポンプ作用がはたらかないことが原因ですが、それ以外にもDVTが発生する可能性を高める要因があります。

1856 年,ドイツの病理学者Virchow 氏は血栓の
ができる要因として次の3つをあげました。

1.血流の停滞

・長時間の座位、寝たきり状態を維持。
・肥満、妊娠。
・脳血管障害、足の麻痺

いずれも動きづらいことにより、血流が悪くなることを指します。

 

 

 

2.血管壁の障害

・外傷、骨折、焼けど

・手術(帝王切開、一般外科)


外傷や手術により外部要因によって血管壁が傷つくと止血のために血中の成分が外傷部分を中心に固まろうとします。

医学的な問題で起きることが多く手術の際には医者はDVTができないように細心の注意を払います。


 

3.血液凝固能(固まりやすさ)の亢進(強くなること)

・妊娠、出産直後でホルモンバランスが崩れる

・経口避妊薬の服薬

・悪性疾患もち

・水分不足による脱水


先天的、後天的に血液が固まりやすい状態になることはあります。冒頭で書いた脱水は血液が固まりやすい状態を作ることに該当します。


女性の場合は妊娠や出産、経口避妊薬の服用など男性よりも該当しやすいですからね。

高齢の女性になると筋力低下からの転倒→骨折を起こす人も多いからね。男性よりも気軽にトイレにいかないってのも関係はあるかなと。

成田赤十字病院の森尾医師の報告だと平均11.3時間の長距離路線の搭乗でDVTが14例発生したことを報告しているんだけど、14例のうち12例は女性でした。

平均年齢は59.6歳と高齢者で、飛行中にトイレに1回いくか行かないかの人が多かったのが特徴として挙げられてます。

今回の熊本地震でなくなった方も50代の女性でしたね。

www.nikkei.com


他にも車中泊で重体になったのはいずれも50~60代の女性です。

若い人でも発症するけど、特に年配の女性は注意が必要です。

 

 

 

 

具体的な深部静脈血栓症(DVT)の対策としては何をすれば良いの?

とにかく足の筋肉を使いましょう

繰り返しになりますが、DVTの原因の多くは不動による血流の悪化にともない血栓が形成されることです。

車中泊であれば、なおさら定期的に足の運動はしないといけないです。

30分に一回は足の運動を行うことをオススメします。最低でも1時間に1回はやるべきだね。

DVTは予防が大切です。

一度血栓ができてしまうと、取り除くのは薬や超音波を用いないといけないからね。

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http://tomochans.exblog.jp/3634288/

 

まったく動かないでじっとしている人は30分に1回それぞれ10回やりましょう。


それだけで足の血流は全然違ってきます。

間違っても何時間もずっと不動の状態でいることはさけてください。

足の筋肉を使って血液を循環させるのが大切ですよ!

 

 

 

水分を定期的にとろう

人間に必要だといわれている水分量は体重1Kgに対して1mlと言われています。あ、1時間あたりね。

例えば60kgの人なら1時間に60mlを目安に摂取すると良いですね。

水分をとるにも目安がないと、どれくらい飲めば良いかわからないからね。

飲まないのは良くないけど、飲みすぎもよくないからね。体重1Kgに対して1mlの基準は覚えておきましょう。

 

 

 

 

トイレは頻回にいこう

震災がおきた時はトイレが混雑するし、流すための水がないしで女性は特に難しい問題です。

トイレに行くことで体内の水分量を調節できるし、トイレに行くこと自体が軽い運動になるためトイレに立つのは重要な要素になります。

事例ではDVTになった人はトイレに立つ回数が少ないことが特徴でわかっているからね。


 

きつめの服装はさけるように使用

体をきつくしめあげるような服装は避けるのが賢明です。弾性ストッキングのように体の四肢末端をきつくするのは良いですが、お腹や背中のように中央をきつく服装をするのはやめましょう。

血液が静脈を通じてもどるのを阻害する原因になりますので。

 

 

 

寝る時はできるだけ足を高くして寝る

車中泊の場合だと座ったまま寝ることもあるでしょう。できるだけ、椅子を倒して足を伸ばす格好になるようにすることをオススメします。

心臓よりも足を高い位置におくことで血液が戻ってきやすい状態になります。

 

 

 

 

自覚症状がある場合に急な運動をすることは禁物

冒頭でサイレントキラーと書いたように、DVTの厄介な所は本人に自覚症状がない場合が多い事です。

痛みを感じるのは血栓が肺にとんだ後ってこともあるし、そうなると手遅れになってしまう場合が多い。

で、この血栓が肺にとぶ時なんだけど、これは立ち上がり時に起きやすいです。

不動によってできた血栓が立ち上がったことで血流にのって飛んでいく場合が多いです。

今回亡くなられた方も立ち上がった後に倒れたし、その他の方も同様です。

一応自覚症状がなくても、足の状態をみて判別はある程度できます。

・むくみ
・かゆみ
・変色
・不自然な肥大

このような症状が足に表れている場合は、急に立ち上がったりせずに医者を呼んでみてもらった方が良いです。

特にずっと車中泊で同じ体勢をとられていた方はなおさらですね。

立ち上がった瞬間に血栓が飛ぶ可能性は否定できないので明らかにおかしいと思った時は誰かに医者を呼んできてもらいましょう。

 

 

 

 

まとめ

・エコノミークラス症候群という名前から誤解しがちだが、飛行機に搭乗している以外でも起きる。

・エコノミー症候群の別名は深部静脈血栓症(DVT)

・DVTは予防が大事、一度できると自力で血栓を除去することはできない

・血栓がとんで肺に繋がる血管にフタをすることにより失神、死といったことに繋がる

・DVTが発症する一番の原因は長時間の同じ体勢をとること。足をまったく動かさないので、血流がわるくなり、血栓ができる。

・足の筋肉を収縮、弛緩させて筋ポンプ作用をおこすことにより血流を良くすることが大事

・50~60代と高齢な女性ほどDVT発症しやすい

・男性よりも圧倒的に女性方がDVTを発症しやすい

・水分の摂取目安は1時間に体重1Kgあたり1ml。体重が60Kgなら60mlを1時間に1回摂取すること。

・30分に一回は足の運動を行い、血流の改善に努めること

。寝る時はできるだけ心臓よりも足を高い位置におくことで、血液を心臓に戻しやすい環境をつくること

・トイレにたつ回数の少ない人がDVTになりやすい特徴がある。できるだけトイレにたつこと。

・自覚症状がでないことが多いが、足にむくみ、肥大、かゆみ等をかんじたら無理に立ち上がったりせずに医者を呼んできてもらう事。立ち上がった時に血栓が飛ぶことを防止するため。


このような所でしょうか。

女性の方は特に気を付けてくださいね。

血流を悪くさせるような状態でずっといるのはご法度ですよ!

 

 

 

 

またね!