エビングハウスの忘却曲線から記憶の定着方法を学ぼう
エビングハウスの忘却曲線から学ぶ記憶の忘却スピード
上の図はエビングハウスの忘却曲線と呼びます。エビングハウスさんが提唱したことからついた名前です。かっこいい名前だよね。エビングハウスって。すぐに覚えられちゃいますね。ぼくの名前もエビングハウスだったらよかったな。
・・・。
まぁ、冗談はさておき、これでエビングハウスの忘却曲線の名前は記憶に焼き付いたと思います。でもね、実際には記憶したものはすぐに忘れちゃうんですよ。
もうね。本当にすぐ忘れちゃいます。覚えたことの74%が1日後には忘れてしまいます。
100個の英単語を覚えたとしたら、その内の30個程度しか次の日には覚えていないのです。いやー。なんてこった。
ぼくが忘れ物をよくするのも仕方なかったのですね。
20分後の時点で42%忘れるのですから、買い物のに行くのにメモを持たされたり、仕事のときに常にメモするように言われるのもなっとくですね。
人間は忘れるようにできているので、もの凄いスピードで覚えたことを忘れてしまうのです。
なぜ人間はすぐに記憶したことを忘れてしまうのか
1日で74%のことを忘れるなんて冗談じゃないですよね。覚えても覚えても忘れてしまうわけです。
なぜこれほどまでに忘れるようになっているのかというと、人間は忘れて生きていく生き物だからです。
私たちは人生の中で経験したことを、何もかも覚えていられるわけではない。むしろほとんど忘れてしまっていいのである。そうでなければ、後悔や迷いが頭から離れることがないだろう。ある出来事があって、そこから何かを学んだなら、起きたことは忘れてしまおう。
マハトマ・ガンジー
誰にだって辛い経験や、苦しい思いをしたことがあると思います。辛い経験や苦しい思いをずっと引きずって生きるのは苦痛ですよね。
1日たとうが、1ヶ月たとうが、1年経とうが記憶が色あせなければずっと苦しんだままです。
もちろん楽しかったことも等しく忘れちゃうんですけど、忘れては楽しい思い出を作ってを繰り返していきていけるようにするために、忘れるようにぼくたちはできています。
忘れるって素晴らしい。
忘れちゃ困ることもある。受験は記憶力がものをいう
忘れることは生きていく上で必要な要素ですが、忘れて困ることもありますよね。例えば受験生の人なら勉強したことは何としても忘れたくないでしょう。
忘れることだけ書いてもしかたないので、逆に記憶を定着させるにはどうすれば良いのかもお伝えしますね!
忘れないうちに!
エビングハウスの忘却曲線 - フリー・ジュニアアカデミー へようこそ
記憶の定着させるのは簡単で、復習を繰り返すことです。復習しなければあっというまに忘れてしまいますが、復習を繰り返すことで記憶の定着化を行います。
暗記を行うときにはひたすら同じ問題を反復してときますよね。漢字の書き取りなんて小学生の時から何回やらされたかわかりません。
でも、そうやって繰り返していく過程で脳みそに刻まれて記憶として定着化するんです。
記憶は鮮明な時に復習したほうが良いので覚えておきたいことについては、短期間の間に繰り返し復習して思い出すのが良いですね。1ヶ月後に復習するより1日経った後に復習する方が記憶は定着します。
忘れて困るような内容であれば、一定の期間をあけて繰り返し覚えていくのが良いですね。
エビングハウスの忘却曲線の注意点
さてさて、エビングハウスの忘却曲線を用いて記憶の定着化について話をしてきました。定着化について話をするうえでエビングハウスの忘却曲線は外せない所がありますからねー。
ただ、エビングハウスの忘却曲線について注意してほしいことがあるんですよ。それはエビングハウスの忘却曲線は意味のある物事の記憶を忘れるスピードを表したわけではないってことです。
エビングハウスは、自ら「子音・母音・子音」から成り立つ無意味な音節(rit, pek, tas, ...etc)を記憶し、その再生率を調べ、この曲線を導いた。
無意味な単語をひたすら記憶して、それを忘れるスピードを計測してます。記憶を定着化させるために反復して復習してもらうやすいのでエビングハウスの忘却曲線は多用されている節もあるんで、そこだけは注意ですね。
短期記憶と長期記憶
記憶記憶と耳にタコができるくらい同じ単語を言っていますが、記憶には種類があります。
大きくわけて短期記憶、長期記憶と言います。それぞれの違いをみてみましょう。
短期記憶
短ければ数秒で長ければ数十分で忘れてしまう記憶のこと。受験で必要になる英単語や数式、漢字などは短期記憶に分類されます。短期記憶は海馬で一時的に保存されて、必要ないと判断されれば削除されます。
エビングハウスの忘却曲線で言われているのは短期記憶のほうね。
長期記憶
側頭葉に記憶される何年も覚えているような記憶のことを長期記憶といいます。長期記憶にも「意味記憶」「エピソード記憶」と更に分類がされるんですよ。
簡単にいうと意味記憶は「信号の赤は止まれ」など概念として理解・記憶しているものを指します。信号が赤だと止まれってことを数秒して忘れたら大変だよね。
概念として記憶していたり、身の危険を回避するための記憶は重要度が高いと脳が判断するんで海馬ではなく側頭葉で記憶されるよ。
エピソード記憶は名前の通り、ストーリー性のある記憶ですね。両親と一緒に旅行して楽しんだ記憶や映画を見て感動して号泣した記憶などがエピソード記憶になります。
個人的に体験した記憶を指すのですが、エピソード記憶も短期記憶ではなく長期記憶として保存されます。
(短期記憶は忘れて当たり前、頭の良い悪い関係なく忘れるように人間はできています。)
記憶を定着化させるには短期記憶から長期記憶へ移すこと。ブログは長期記憶にするのに最適。
記憶を定着させるには反復して覚えるだけでなく、短期記憶を長期記憶として脳に認識させるのが有効なんですよ。
その意味でブログってのは大変優秀なツールなんです。
ブログは自分の脳みそに散らばっている記憶をつなぎ合わせて1つのストーリーにする作業が必要です。
読んでくれる人に伝えようと思うと、自分のアタマで繰り返しどうすれば有用な情報となるか、どうすれば面白い記事になるのか考えますよね。
その時点で脳みそには何度となく書こうとしている記事の内容や、書くにあたって必要な情報が刷り込まれるわけなんですよ。
しかも、ブログではストーリーのある記事を書く事になるのでエピソード記憶として長期記憶に移行されていきます。
ブログを書く際には結論から書くのが読んでくれる方にとってわかりやすいですが、日本で文章を書く時に一般的に用いられる起承転結もストーリーですよね。
どの順番で説明していけばわかってもらえるのか、自分のなかで組み立ててストーリーを作りあげます。それが長期記憶になり、記憶に焼き付いていきます。
短期記憶のように意味のない言葉の羅列ではなく、それぞれの言葉に意味のある文章にしていく作業をブログではやっていくことになるので、記事を書けば書くほど脳みそに情報は蓄積されていくんですね。いやー。すごい。
まぁ、書いているだけだとわかりづらいので1つ例を出します。
【ペンギン りんご 岩 飛行機 机 スマホ】
いまぼくがアタマのなかに浮かんできた単語です。意味はまったくありません。5つの関連性のない単語を覚えるのは難しいですよね。
いま覚えようとしてくれている方がいるかもしれませんが、すぐに忘れてしまうでしょう。
では、ここにストーリーをつけるとどうでしょうか。
【ペンギンはりんごが大好きで岩の上に乗ってりんごが落ちていないか探していました。時には飛行機に乗ってまで探しに行っていたこともあります。なかなか見つからない時には机の上に置いてあるスマホを使ってりんごのありかを調べるほどです。】
ぼくが30秒で書いた文章ですが、単語をただ眺めていた時よりも頭に残っていますよね。残ってなかったらすみません!
その時は自分のアタマで【ペンギン りんご 岩 飛行機 机 スマホ】を使ったストーリーを作ってみてください。きっと長く記憶に残りますよ。
それぞれ関連性のなかった単語にストーリーを持たせることで短期記憶から長期記憶に変換して覚えることができるんです。
物事にストーリーやエピソードを付け加えて吐き出すのがブログなわけです。一生懸命に書いた記事って忘れないですよね。
ちょっと話は変わるんだけど、書籍もいくつか出していて、はてなブロガーとして有名な「ちきりん」さんが何年も昔の記事を引用してくることがあります。
「よくそんな昔に書いた記事の内容を覚えているなー。」
って思うことも多かったのですが、自分がブログをはじめてみると昔に書いた記事も結構覚えているものなんですよね。
どんな内容を書いて、何を伝えたかったのか。完全にではないにしても大枠は覚えているんです。
「あ、今書いている記事って前に書いた記事と繋げると面白くなるな。」
なんて考えも浮かんできます。
ブログは記憶を定着化させるための絶好のツールであり、訓練を行う場になります。
しかも、忘れたら簡単に見返すことができるという超優秀な記憶補助ツールです。
記憶力がなくて、忘れ物しやすいって人はブログを書き続けてみるとよいですよ。その時にどうすれば有用な記事が書けるのか。どうすれば面白い記事が書けるか。
それを頭のなかで必死に考えて書けば記憶はより定着しやすくなります。
いやー。ブログってすごいね!
だまされたと思ってやってみてください。
この記事の内容が20分後に42%忘れられて、1日後に74%忘れられてませんよーに。
あ、せめて「神田の唄」というブログ名だけでも覚えていってください。
またね!