神田の唄

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自己啓発書の大量出版×マズローの5段階欲求×ネットの影響

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いま日本人が求めているのは自己実現

本屋にいくとたくさんの自己啓発書が売っていますよね。毎月大量の自己啓発本が出版されるほど人気の高いジャンルとなっていますが、自己啓発関連の本が売れ始めたのは、ここ10年の話です。

 もともとは世界恐慌後にアメリカで自己啓発書が人気を博したのがきっかけです。そして、アメリカから日本にもポジティブ思考の波が押し寄せてきたのですね。


自己啓発書は景気が悪いときほど売れます。経済格差、長期不況、リストラの嵐などネガティブな思考に社会が包まれるときほど流行します。

自己啓発のもともとのルーツは「宗教」にある。社会の不安感が高まれば、人々は安心を得ようとして、一瞬の高揚感にすがりつく。しかしその高揚感は持続しない。それゆえ、ヒット本に飽きたころに新種の自己啓発本が出てくると、自己啓発的な人々はまたそれに飛びつく。こうして同じような自己啓発本が手をかえ品をかえながら出版され、そのたびごとにそれなりのヒットを生むことになる。このような薬物依存的な構造が、ここ10年の自己啓発本ブームを支えているということなのだろう。

 自己啓発本はなぜ流行るのか? - 草食系大学院生の読書日記


引用の通り自己啓発本に一種の安心感を求めている人もいるんだろうけど、もっと根底には自己実現したいという欲求がぼくたちにあり、それが昨今の自己啓発書ブームを形作っていると思う。

 

 

 

 

マズローの五段階欲求からみる人の根源的欲求

アメリカの心理学者であるマズローが提唱した理論が下の図。

 

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マズローの欲求5段階説 |モチベーション向上の法則


生理的欲求が最初に求められる欲求で上にいくほど動物にはない人間的な欲求になります。

面白いはなしなんで1つずつみていくよー。


1.生理欲求

人間が生きていくうえで必要な睡眠や食欲といった動物的な欲求を指します。やはり生命の維持に必要な欲求が最も最初に必要とされます。

 

 

2.安全欲求

お腹が満たされて、睡眠も取れたら安全確保ををしたい欲求がでてきます。危険を回避するために安全で安心な場所を確保したいという欲求です。

 

 

3.社会的欲求

人間同士の関わりを求めることを指します。集団に属すことができなければ、人は孤独感を感じ仲間を求めます。

 

 

4.尊厳欲求

他人から認められたい。尊敬されたいという欲求です。いままでの欲求は外的な要因に左右されていましたが、尊厳欲求からは自分自身からくる内的な感情で満たされる欲求となります。より人間的な欲求ということですね。

 

 

5.自己実現欲求

下位の4つの欲求が満たされると自己実現の欲求が出現します。他人からどう思われるかを気にする尊厳欲求とは違い、自分自身の評価を気にします。自分の能力を使ってクリエイティブな仕事がしたい!自分らしく生きたい!って考えを起こす人は自己実現の欲求に飢えているわけですね。

 

 

以上の5つがマズローの5段階欲求です。最初は生きるために食糧を求め、お腹が満腹になったら安全に眠れる場所を求める。お腹も安全も満たされれば淋しさを紛らわすために相手を求める。そして相手からの尊敬を求め、最後には自分で自分を認めてあげることを欲するわけですね!

 

 

 

 

 

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(ぼくたちは誰よりも自分で自分を認めてあげたいと思っている。) 

 

 

 

 

多くの人が他人からの称賛を求め、自分で自分を褒めたがっている

自己啓発書は生理的欲求~社会的欲求といった低次の欲求が満たされており、なおかつ尊厳欲求、自己実現欲求が満たされていない人を対象にしています。

自己啓発書が流行しているのは他人から評価されたい、自分自身で納得のいく仕事をして生きたいって考える人が多いからです。

逆にいえば生命の維持にかかわる根源的な欲求が満たされている人が多い証拠なわけで、やっぱり日本はまだまだ裕福だといえるだろうね。

紛争の絶えない地域や、貧困に苦しんでいる国だったら自己啓発書が流行するとは思えないし。そんな状況にいればまずは食糧や安全な家を確保するのに躍起になるはずです。

少なくともこの記事を読んでいる人は、生理的欲求や安全欲求は満たされているでしょう。

その変わりぼくたちは他人からの称賛や自分自身が熱中して働けることを渇望するようになりました。

 

 

 

 

インターネットの発達が自己啓発書の流行を加速させた

1.SNSは社会的欲求を満たすツールとなった

これはぼくの予測でしかないけどインターネットの発達が自己啓発書の流行を加速させています。


ひと昔まえであれば社会的欲求は人と人が直接会わなければ得ることはできませんでした。

だけど、ブログ、Facebook、Twitterといったネットサービスの普及により、今まではありえなかった社会的コミュニティがネット上に作り出されることになったのです。

いまや家に引きこもっていても人との繋がりは得ることができるし、日本のどこにいようと特定の人物とネットで繋がることが可能になりました。

自己啓発書を購入する主な人たちは働きかたについて考える15~65歳の生産年齢の人間です。15歳~65歳であれば、ネットを使っていない人を探す方が難しいよね。ネットの発達により生産年齢の人間が生理的欲求~社会的欲求を満たしやすい時代になってます。

だから自然と人に認められたい、自分で納得のいく仕事をしたいって人が増えているんじゃないかな。

 

 

2.匿名性とSNSが尊厳欲求を満たした

ブログ、Facebook、Twitterといった各種SNSは人との繋がりを作るツールだけにとどまらず、人間の尊厳欲求を満たすことに成功しました。

ネットの世界は基本的にフラットです。東大卒だろうが、中卒だろうが関係なく意見を述べ合うことができます。

 

実際に対面で会えば劣等感を感じるような状況にあっても、匿名性であれば自分の身分がなにものかなんて関係ない。ネットの世界においては誰もが声を荒げて発言することができるのです。

相手を打ち負かすこともできるし、ネットの知恵袋で誰かの助けになることもできる。ブログを書いて色んな反応をもらうことで喜びを感じることもできる。

SNSで自分の行動を投稿すれば「いいね」「シェア」ボタンから何百人という人に拡散されます。コメントの数やいいねの数はそのまま自分の承認欲求を満たす他人の声となりました。


SNSによって社会的欲求だけでなく、尊厳欲求も満たされるようになったのです。

 

 

3.ネットは人に多種多様な価値観を与えた

ネットの発達は人に多種多様な価値観を与えることに成功しました。インターネットが発達し、googleを使って検索を行うことができるまでは情報は何よりも価値を持っていました。

けど、今やたいていの情報はインターネットにアクセスすれば調べることが可能になり情報の価値は薄れています。小学生だってネットを使えば大人よりも詳しくなれる時代ですからね。

自宅にいながら遠く離れた所に住んでいる人や国のことも知れるようになりました。

いままでなら生まれてから死ぬまでに触れることのなかった多種多様な価値観に簡単に触れることができるようにもなったしね。

多様な価値観に触れるってことは自分の生き方を見直すことに繋がり、ぼくたちはより多くの選択肢を得ました。

 

でも、多くの選択肢を得ることにより自分がどう生きるべきか悩む人が増え、自己啓発書に自分がどうやって生きるべきなのかを求める人が増えた。ぼくもその1人です。

 

 

 

 

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(SNSはネット上で人の繋がりを作った。そして、自己の承認欲求を満たすツールとなった。)

 

 

 

 

不況だからこそ、人は生き方を見直す

冒頭で長期不況や、リストラの嵐といった不況に見舞われるときに人はポジティブな思考を求めると紹介したよね。

不況はポジティブな考えを持たせるだけでなく、人に生き方を考えさせるきっかけになっていると思う。

ぼくはバブルの時代を知らないけど、バブルの時代に自分の生き方を疑っていた人は少なのではないでしょうか。

順風満帆な生活を送っていれば生き方を見直すことなんて必要がなかったでしょう。一億総中流時代と言われた時代が日本にはあり、右を向いても左を向いてもお祭り騒ぎだった時代に何を振り返ることがあるのか。って感じだったんじゃないかな。

バブルを知らないからあくまでも予想だけどね。

まぁ、なんにせよ悪い時ほど今の自分の生き方が正しいのか見直すものだからね。整備された道を車で走るときは何も考えないけど、砂利道や穴ぼこの悪路を走るときは考えながら走るよね。そんな感じ。



 

 

自己啓発書はぼくたちを救うか

自己啓発書に助けをもとめる人が増えている。ぼく自身もそう。とにかく自己啓発書を読みふけった時期もありました。

不況でネットの発達した社会であれば、自己啓発書が流行るのは自然な流れかも。

問題は自己啓発書がぼくたちの自己実現欲求を満たすツールになるかなんですよね。

今の日本で多くの人が抱えているのは自己実現を達成したいという欲求であり、実現するための行動なんだと思う。ネットによって多種多様な生き方があることを知った分、なにを選択すればよいのか悩む人も増えてます。

カンフル剤と揶揄されようと自己啓発書を読むことによって、達成されるなら願ったりかなったりだけど、読むだけでおわってたらダメなんだよね。

読んだあとの行動が伴わなければ絵に描いた餅で終わってしまう。

まぁ自己啓発書読んで行動が伴えばOKってことですね!

 ※ちなみに、マズローは晩年、5段階の欲求階層の上に、さらにもう一つの段階があると発表しました。それは「自己超越」という段階。

「目的の遂行・達成『だけ』を純粋に求める」という領域で、見返りも求めずエゴもなく、自我を忘れてただ目的のみに没頭するという領域のようです

 マズローの欲求5段階説 |モチベーション向上の法則

 

引用の通り、実はマズローは自己実現のさらにうえに六段階目の「自己超越」を提唱しています。自己啓発書はぼくたちを6段階目に導くツールとなるのでしょうか。願わくばそうであってほしいですね。せっかく読んだんだし。。

ぼくも自己実現を果たして自己超越したいものですね!

 

 

 

 

 

またね!