神田の唄

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高齢者の万引き被害が過去最高へ。若者の未来かもね。

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高齢者の万引き事件は増え続けている。

高齢者と聞くとどんなイメージを思い浮かべるでしょうか。

「尊敬、経験豊富、温和」といったポジティブなイメージを浮かべる人もいれば「弱者、寝たきり、認知症」のようにネガティブなイメージを思い浮かべる人もいるでしょう。

 どちらも正解だと思いますが、現代の日本にあっては高齢者にポジティブなイメージを抱く人よりもネガティブなイメージを抱く人が増えています。


「老害」なんて言葉が作り出されるほどですからね。

悲しいことに、高齢者を尊敬の対象としてみるのではなく「目の上のたんこぶ」として見る人が増えているのは事実です。

若気のいたりで済ますことができないほどネット上では高齢者に対しての怒りを向ける記事が増えているわけですが、高齢者へのリスペクト精神のない人が増えるのは悲しいことですね。。

高齢者を敬う気持ちが少なくなった現代日本の環境は、高齢者の犯罪発生率を引き上げることに繋がります。

高齢者の起こす犯罪が増えているのは日々のニュースをみていて感じることでしょう。

高齢者が起こす犯罪の発生件数は年々増えていまして、犯罪の大半は万引きです。

高齢者の多くは犯罪を犯した理由を「さみしいから」「人生を生きる目標がないから」と語ります。

高齢者の活躍でき、尊敬の念を持たれる社会にすることが高齢者の犯罪を抑制するために必要なのです。

高齢者の犯罪の増加は「自分事」として受け止めなければなりません。

ネットで「老害」と揶揄する人が将来「老害」と言われる立場になることは容易に想像ができます。

高齢者の犯罪の大半を占める万引き被害と、万引きしてしまう心理について学び解消するために動いていかなければミイラ取りがミイラになってしまうわけです。

高齢者が活躍し、若者からリスペクトされる環境を構築しなければ状況の改善は望めないでしょう。ぼくたちが将来年老いたときに老害と呼ばれる存在にならないために考えなければならない大事なことです。

 

 

 

 

高齢者による万引きの検挙者数は平成23年に若者の検挙者数を上回った

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http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/pdf/nihon/80_2/05.pdf

 


上の図をみてわかる通り平成23年には、65歳以上の高齢者が万引きにより検挙される人数が14~19歳の若者を上回りました。

平成15年にはおよそ20,000人近くの差があったのにもかかわらず、わずか8年で立場が変わってしまったのです。

「少子高齢化社会により65歳以上の人口が増えたから、比例して数も増えただけでしょ。」と思われるかもしれませんが、検挙者数の増え方は高齢者人口の増加だけで説明はできないと言われています。

人口増加だけではない別の要因が重なり著しい増加をみせているのです。

万引きというと若者による犯罪のイメージでしたが、いまや万引きは高齢者による犯罪の代表格になっているんですよ。

 

 

 

 

高齢者の万引きによる被害で多いのは1000円以下のケース

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http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/pdf/nihon/80_2/05.pdf


高齢者による万引きの被害額で多いのは1000円以下が54%と半分以上を占めています。

高齢者が万引きを行った理由としては「所持金はあるが使いたくない」が48%。「所持金はあるが余裕がない」が17%です。

合わせて65%の高齢者が所持金はある状態で万引きを行っています。

経済的な苦しさから万引きを行う人もいるでしょうが、お金に困っていることが全てではないことがわかりますね。

正直いって経済的な苦しさでいえば若者も同じで「お金がない=万引き」というのは繋がるように見えて心理的には必ずしも直結するわけではないのです。

・誰かに助けを求める

・就労して稼ぐ(高齢者だと難しい場合が多いですが)

・生活保護を受ける

・我慢する


などなどお金がない時にとれる行動はほかにもあります。


「お金がない=万引き」の図式ができるなら極端なはなし小中学生のようにお金を得れる手段が乏しい年代の方が万引きの検挙者数があがって良いはずですからね。

 

 

 

 

高齢者の交友関係の希薄化と万引き

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http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/pdf/nihon/80_2/05.pdf

 

万引きを行った高齢者の交友関係をみると上の図の通りになります。友人がいるかどうかの質問に対して「いない」の回答が52%。「少ない」の回答が36%ととなっています。

65歳をすぎると会社で形成されたネットワークもなくなり、顔なじみとも疎遠になっていきます。

自分から積極的にコミュニケーションをとれる場を求める人でもない限り、交友関係が広がらないのは若者も高齢者も同じです。

若者の場合だと家族や学校の友人に相談することもできますが、高齢者の場合には身内の大半が死別しており、相談できる相手もいない場合が多いです。

「相談する相手がいるか」の質問に対して「いない」と答えた高齢者が48%にのぼることからも、高齢者の交友関係が希薄化していることがわかります。

誰かに見られない。自分の存在を認識して欲しいと考えるのは若者も高齢者も同じです。高齢者の交友関係の希薄化による「さびしい」と思う気持ちは万引きの発生に関わっており、解決しなければ万引き被害の減少は防げないでしょう。

 

高齢者の罪種手口別で一番多い傾向なのは万引きです。警視庁担当者の分析によると、「孤独感が引きがねとなり万引きをする高齢者が多いのでは」とのことです。

 増える高齢者の万引き 原因は「寂しいから」?! | 防犯設備の実験室

 

 

 

 

高齢者の万引きに対する意識

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http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/pdf/nihon/80_2/05.pdf

高齢者の万引きに対する意識としては「何も考えていなかった」が1番多いです。計画性をもって行う人は少なく、突発的に万引きを行う人が多いです。

高齢者で万引きを行い捕まった人の70%は前科なしの方です。若者に比べて複数の人間で行う割合も低いですし「何も考えていなかった」という一見すると甘い回答も本心で言っているのでしょう。


 

 

 

高齢者の認知症と万引きの関係について

65歳以上の高齢者の5人に1人は認知症だと言われています。

「認知症」とは老いにともなう病気の一つです。 さまざまな原因で脳の細胞が死ぬ、または働きが悪くなることによって、記憶・判断力の障害などが起こり、意識障害はないものの社会生活や対人関係に支障が出ている状態(およそ6か月以上継続)をいいます。 我が国では高齢化の進展とともに、認知症の人数も増加しています。

 もし、家族や自分が認知症になったら 知っておきたい認知症のキホン:政府広報オンライン

 

認知症は老化に伴って発症する可能性は高くなります。

ぼくたちの脳には感情や理性を司る前頭葉と呼ばれる所があります。人間が人間たる存在となることに欠かせない場所なのですが、それ故に高齢化に伴って前頭葉は影響を受けやすいです。

原始的な睡眠欲、食欲、性欲といった部分をつかさどる場所は高齢になっても影響を受けにくいです。人間として発達した箇所の方がより高次な内容を行いますが、高度なモノってなんにしても障害を受けやすいですからね。

で、ですね。高齢化に伴って前頭葉が小さくなりやすいのは広く知られていることですが、そうすると今まで正常に判断できていたことができなくなります。

それこそ万引きはしてはいけないといった社会的規範を守り辛くなるのは前頭葉の機能低下が影響しています。

犯罪をおかす人は前頭葉の働きが低下していることは数々の研究によってわかっていますが、高齢化によって脳の働きが鈍ったことにより万引きに及んでしまうのも同様のことが言えます。

犯罪となる考えにブレーキをかけることができなくなってしまうのですね。

 

 

 

 

高齢者の活躍できる環境を作ることが課題

高齢者の万引きによる犯罪が増えているのは前述したようにいくつかの要因が複合した結果起きています。

 

・経済的に困っている高齢者の増加

・人間関係の希薄化による孤独感を感じる高齢者の増加

・老化により脳機能が衰えた結果、社会規範への意識が薄れた高齢者の増加

 

今後も高齢者の人数は増えていく一方ですし、高齢者の万引きの発生数は増加していくことは容易に予想できます。

前述した問題を解決するために必要なのは「高齢者の社会的コミュニティー」を形成することだと言われています。

人との関わりを持つ場所を確保することが重要なわけです。

ぼくとしては高齢者が若者と交わる機会を積極的に作りだすことが必要だと考えます。

過去、高齢者は若者にはない知恵や経験を持っており尊敬すべき対象でした。

それがいつしかインターネットで調べればたいていのことはわかるようになり、高齢者に教えを乞う機会は減りました。

「高齢者と高齢者」のコミュニティーを形成するのも大事ですが、それだけでなく「高齢者と若者」のコミュニティーを形成することが大切です。

病院や老後施設でみてきましたが高齢者同士のコミュニティーって会社も辞めて肩書もなにもなくなったのに、身分を気にする人間も多いからね。

考えも固まっている人が多いし、高齢者同士のコミュニティーを形成するよりも高齢者と若者が触れ合える場所を作ったほうが活発な行動や意見交換は生まれるでしょう。

 

 

 

 

高齢者と若者のコミュニティーを作る

例えば幼稚園や保育園で高齢者の方々に園児のめんどうを見てもらうのです。

高齢者の方は孫世代の方といっしょに時間を過ごせるのを楽しみにしている人も多いです。

普段は寝たきりだけど、孫がくると途端に動き出す人もいますからね。

高齢者の方は基本的に「余生をどう過ごすか」を大切にしている人が多く「給料が高いところで働く」ことを重要視しているわけではありません。

幼稚園や保育園は働き手の減少が問題になっていますが、高齢者のなかには給料が安くても子供たちと関わりたい人はいます。

それこそ中には「子供たちと一緒に過ごすためにお金を払う」考えを持っている高齢者もいるでしょう。

呼びかけたら集まると思います。

小学校や中学校でも高齢者の昔ながらの技術や知恵を教える場をもっと提供してもよいでしょう。

ぼくが小学校のことには竹馬や竹とんぼを作るために高齢者から学ぶ授業がありましたが面白かったですね。

もっと「高齢者と若者」を結び付ける場を設けるなんですよ。

高齢者は若者から元気をもらえますし、若者は今までの経験や知識についても生の声を聞けますからね。

属にいうwin-winの関係性ができますよ。

 

 

 

 

ぼくたちも将来高齢者になる

冒頭で書きましたが「高齢者問題」は将来ぼくたちも経験することになります。

いまは高齢者のことを「老害」だと批判できても、将来は自分が言われる立場になってしまうわけです。

しかもぼくたちの時には少子高齢化がさらに進んでいます。

高齢者の万引き問題もぼくたちが高齢者になるころには更にひどくなっているでしょう。

 

・経済的に困っている高齢者の増加

・人間関係の希薄化による孤独感を感じる高齢者の増加

・老化により脳機能が衰えた結果、社会規範への意識が薄れた高齢者の増加

 

先にあげた問題点のなかでも人間関係と脳機能の衰えに関しては「高齢者と若者」のコミュニティーを形成することで解消されていきます。

高齢者が万引きを起こすのは「結果」であり原因ではありません。

原因を取り除くためにも高齢者が活躍できる場所の提供が必要なのです。

ぼくたちが高齢者になるころには活躍できる場所だけでなく、金銭的問題もさらに大きくなっているでしょうからね。


高齢者問題は袋小路になりやすいのですが、自分事として捉えていくべきです。

自分が高齢者になった時に「老害」と呼ばれる存在になるのか「尊敬」の対象として見られる存在になりたいのかは論ずるまでもないでしょう。

てなわけで今回の高齢者の犯罪についてや、コミュニティー形成について良いアイディアがある方はどんどん発信していってくださいね!

声をあげなければ何もはじまらないからね!

 

 

 

 

 

またね!