神田の唄

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上野動物園の年間入場者数が減少しているのはワザとらしい

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上野動物園の年間入場者数が減少しているのは意図的なこと?

日本で1番の年間入場者数を誇る上野動物園。前回書いた上野動物園の続き的な内容になるので、まだご覧になってない方はみてってくださいな。

www.kandareiji.com

 ぼくは前回の記事の終わりに

 

まぁ、上野動物園については「入場者数を意図的に減らしている」とする情報もあるのですが、今回の記事で言及するとややこしいので別記事に譲ります。。

 
と書きました。てなわけで上野動物園の年間入場者数の減少が意図的なものなのかどうかについて言及するよー。

 

 

 

 

上野動物園の年間来場者数の推移を簡単に振り返る

上野動物園は1882年に日本で1番最初にできた歴史ある動物園です。年間の入場者数はは1949年度に300万人を突破して以来300万人以上を維持していました。

1972年にはジャイアントパンダ「カンカン」と「ランラン」が来園。ジャイアントパンダが初公開となった日には約6万人の人間が押しかけたとか。

6万人のうちパンダをみれた人間は1/3程度の2万人だけで、見れた人間も3時間待って30秒見れただけだというからパンダの盛況ぶりがわかりますね。

今の時代なら残りの4万人がキレてTwitterで罵詈雑言の嵐が巻き起こりそうですね。

「パンダ見るってレベルじゃねーぞ!」

とまぁ、それくらいパンダの来援は当時の日本に旋風を巻き起こしていたのです。

 

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http://ameblo.jp/showa-retoro/entry-10472882027.html

(初のジャイアントパンダ上陸により日本中が熱狂した)

 

パンダが来年して2年後の1974年には来場者数は最高値の約 764 万人を観測。日本中が上野動物園のパンダに注目していました。


で、ピークをむかえた後は再び入場者数は下降し、300万代を維持。2008 年には最高値から約 474 万人減少した、約 290 万人の年間動員となりました。

ここまで入場者数が減少した理由はパンダの「リンリン」が亡くなったのが大きな要因です。

そして来場者数が下がった2008年から3年後、今度はまちに待ったジャイアントパンダの「リーリー」と「シンシン」が来園し来場者数は420万人に息を吹き返します。

 

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http://ookumaneko.blog.so-net.ne.jp/archive/c2301709245-2

(まちに待ったパンダの登場により年間来場者数は400万以上を観測)


こうしてみると上野動物園の年間来場者数が増減する大きな理由は良くも悪くもパンダが担っていることがわかります。

ちなみに2015年の年間来場者数は360万人。一定数の確保には成功していることがわかりますが、ピーク時の764万人に比べると見劣りする数値ですね。

このことからもテレビをはじめとするメディアでは上野動物園の人気が低迷したことによる入場者離れがおきていると取りざたされました。

「上野動物園 人気低迷」なんてキーワードで調べると入場者数が減ったことにより人気が低迷したのではないかと発言しているブログもあります。

確かに入場者数だけみると人気低迷により国民の関心が上の動物園から離れてしまったようにみえますが、必ずしもそうとは言えないようです。

 

 

 

 

上野動物園の課題は過密による観光客の満足度低下

上野動物園は前回の記事で書きましたが世界一過密な動物園と言われています。

f:id:kandareiji:20160415002700j:plainhttp://www.isc.meiji.ac.jp/~w_zemi/zoo.pdf


世界各国の動物園と比較すると面積に対しての人口の割合が段違いに高いね。1974年のピーク時には4桁を記録してますが、大変な込み具合だったんでしょう。

いやー。大変ですね。

ぼくだったら、そんな混雑したときに行きたくないですね。

で、こう考えるのはぼくだけじゃないでしょう。人込みが苦手な人もいるだろうし、長時間待たなければ動物をみることのできない環境にストレスを感じる人もいるはず。

動物園なので人がいなくてガラガラだと寂しいけど、すし詰め状態になるほど混んでても困るのです。難しいね。

過密になると入園者の満足度は下がります。ゆっくり見れないし、イライラするしで動物をみて癒されるどことかストレスを溜める人まで出るしまつ。

現在の年間入場者数300万代はピーク時に比べると確かに少ないけど、それでも過密状態には変わりないからね。

上野動物園の前園長である小宮氏は来場者数の減少について「減っているのではなく、意図的に減らしている 」とまで回答しています。

理由としては前述の通り人気が白熱したことによる過密を緩和させるためです。また、上野動物園の近隣に施設を建設することにより過密の分散を図ることをしました。

井の頭自然文化園(1942年設立)
1930年代の動物園人気による入園者増への緩和

多摩動物公園(1958年設立)
翌年完成のアフリカ生態園による入園者過密緩和

葛西臨海水族園(1989年)
パンダブームによる入園者増への緩和

上記の建物は上野動物園に一極集中した人気を分散させる目的をもって建設されたと小宮氏は言われています。

これは意外な事実ですね。

確かに1972年のパンダブームでは6万人の人間が来場しても、2万人しかパンダをみれなかった惨劇があります。

3時間以上まって見れない状況では満足度もなにもないよね。

来場する人が増えれば良いってわけではなくて、入場した人の満足度を高く保ちながら一定の入場者を確保するとなると現在の300万代くらいで問題ないんだとか。

入場者数は動物園の人気を示すわかりやすい指標だからメディアも数値の減少を取り上げて人気の低迷を放送していたけど、満足度の追求をした結果もあるとは目から鱗です。

 

 

 

 

上野動物園は入場者が減っても運営していくだけの財政状況なのか

入場者数の減少が意図的なものだとして、それによる収益の減少が運営を行うにあたって弊害がないのかって話だよね。

上野動物園の収支問題に関しては小宮氏いわく「東京都から十分な予算を受けているから経営面での問題はない」そうです。

上野動物園の管理をまかされているのは交益財団法人である「東京動物協会」みたい。で、この東京動物協会のサイトをみると前述した

・井の頭自然文化園
・多摩動物公園
・葛西臨海水族園

これらの施設も管理しているので上野公園を合わせると4施設が1つの公益財団法人で運営されていました。へー!って感じだね。独立していると思ったけど、運営元は同じなんですね。面白い。

 

www.tzps.or.jp


4つの施設を合計して考えた時に終始はプラスになっており特に経営難に陥っているということはないようです。(収支についての詳しいデータは投稿動物協会のサイトでみれます。)

てなわけで、大人入園料が600円の激安価格も適正価格なんだとか。

と、いうわけで上野動物園の入場社数は低迷しているとかではなく、現在の300万人代で問題はないようです。

まぁ、ぼくとしては前回の記事で書いた通りナイトサファリを強化してもらいたい気持ちは変わりませんけどね!

上野動物園が経営において安定した基盤を確保しているのはわかったけど、全国約100箇所ある動物園では収益があがらずに閉園している所もあるし、どうすれば人を呼べる動物園になるのかは日本一の動物園に率先して欲しいところ。

上野動物園が目指している動物園のあるべき姿は動員数を増やして収益をあげることではないようだから、もう1施設隣接してナイトサファリ用の施設を建設するとかしてくれたら良いのになー。

上野動物園について調べてたら思いのほか面白い情報が沢山でてきたので、また動物園については書きたいね。

 

 

 

またね!

 

【参考文献】
上野動物園の真実
http://www.isc.meiji.ac.jp/~w_zemi/zoo.pdf

上野動物園におけるボランティア活動
https://www.nier.go.jp/jissen/training/h27/pdf/shuji_a/0818-2.pdf