自分の心理を認識することで行動は変わる
ぼくたちの日常はオペラント条件付けに満ちている
心理学の世界には「オペラント条件付け」なるものがあります。
ぼくはこのオペラント条件付けのはなしがすごく好きなんですよ。
意識しないのですが日常の何気ないシーンで気付かない間に行われているのがいオペラント条件付けなんです。
オペラント条件付けとは一言でいうと
「生物が意識的に起こした行動により良い結果が得られれば行動が強化され、反対に悪い結果を得ると行動が減少すること」
です。
この説明だとわかりにくいので具体的な例で話をするね。
例えばぼくたちが道に迷ったときに右にいく道と左に行く道があります。
「悩むけど、なんとなく右が正解な気がする。右にいこう。」
悩んだ末に右に行くことを選んだ結果、みごと目的の場所にたどりつくことができました。
数日後、またしても道に迷いました。
目の前にはまたしても左右に分けれる道。
「また道に迷った。前回は右が正解だったから今回も右にいこう」
前回は右の道を選ぶのが正しかったので、今回も右をえらびました。
これはぼくたちの日常にある何気ないできごとだよね。
ここで注目して欲しいのは2回目に右に行く道をえらんだのは過去の経験からきているってこと。
1回目に自分が右に行くことをえらんだことによって良い結果を得たので2回目も右を選んだんですね。
これが、冒頭で話した「生物が意識的に起こした行動により良い結果が得られれば特定の行動が強化される。」ってことです。今回の例でいうと迷った時に右に進む行動が強化されたのです。
逆に左を選んでいれば目的の場所にたどり着けないので、左にいくことは避ける様になります。
「反対に悪い結果を得ると行動が減少する。」ってのは、このことね。
簡単にいうと嬉しかったことは繰り返して、嫌なことはしなくなるってことです。
ざっくり言うとですよ!
オペラント条件付けが起きていることを理解すると自分の行動の理由がわかるので面白いんですよねー。
いやー。ホント面白い。
日常で起きているオペラント条件付け
日常のいたるところでオペラント条件付けは起きているんですよ。
1.祖母の肩を揉んであげた
2.祖母がおれいとして1000円をくれた
3.祖母のかたをことあるごとに揉むようになる
1.ブログで人間関係のことについて書いた
2.旅行ネタや料理ネタよりも人間関係の方がブックマーク数が多くもらえた
3.ブログで人間関係のトピックスについて多く書くようになった
1.会社で上司に意見をいった
2.カンに触ったようで怒られた
3.上司に意見をすることをやめるようになってしまった
1.彼女に会うので香水をつけていった
2.彼女から匂いが強いと不評だった
3.香水をつけるのをやめてしまった
こうやってみると凄く単純なことだよね。
自分が考えて行動したことによって嬉しい結果になれば、その行動を繰り返します・ダメな結果に終われば二度としなくなるってことです。
こどもが勉強をがんばったときにお菓子をあげるのは教育方法のなかにオペラント条件付けを取り入れたものなんですよ。
子供がケンカした時に怒って叱るのもそう。怒られたくないから片付けをしたり、勉強をするのはオペラント条件付けです。
オペラント条件付けのことを知らなくても、ぼくたちは無意識のうちに利用しているんですよね。
(行動と結果と心理が大きくむすびついている)
パブロフの犬で有名な古典的条件付けとの違い
オペラント条件付けの話をきいて
「パブロフの犬のことか!」と思われた方がいるかもしれません。
確かに似てはいるけど、パブロフの犬とは違うんですよ。
誤解を生むといけないので、オペラント条件付けとの違いについて説明するね。
「パブロフの犬」とは
1.犬に鈴の音を聞かせる
2.犬にエサをやる
3.1と2を繰り返し行う
このように鈴の音を効かせてエサをやる一連の流れを繰り返し行うと、犬は鈴の音を聞いただけでダラダラと唾液を分泌するようになった実験のことをいいます。
なんで鈴の音をきいただけで唾液がダラダラでるかというと、これは犬のアタマのなかに「鈴の音が聞こえること」と「エサをもらえること」が結び付いているからです。
「鈴の音がなる=エサをもらえる」という図式が出来上がっているため、犬はエサを想像します。
そのため唾液の分泌量が多くなったのですね。
この話で重要なのは犬の唾液の分泌は無意識のあいだに促進されること。
人間や犬といった動物は転びそうになると反射的にバランスを保つ動きをみせます。
体をひねったり、足を一歩まえに出したりするんだけど、これは無意識のうちに行われる反射によってです。
バランスを保つのは生まれ持った先天的なものですが「パブロフの犬」は実験を繰り返し行ったことにより得た後天的な反射です。
鈴の音を聞いて唾液が出るのは無意識に引き起こされるものであり、これは犬が自分で考えて行っていることではありません。
このように動物が意図していないのに反射的におきてしまう反応を古典的条件付けといいうのですね。
オペラント条件付けとの明確な違いは生物が意識して行動をおこしているかどうかです。
古典的条件付けとオペラント条件付けは似て非なるものなんですねー。
オペラント条件付けが起きていることを認識することにより、行動をコントロールできるようになる
ぼくは心理学の話が好きです。
と、いうのも自分の心理を理解し、認識することによって行動は変わるからです。
意識して行動するのと、無意識に行動するのではぜんぜん違うよね。
親にこっぴどく叱られた時は話かけたくなくなるよね。それは自分にオペラント条件付けが働いているからだってわかれば対処できるようになるんですよ。
「ああ、いまオペラント条件付けが働いている。ダメダメ。ちゃんと話をしなくちゃ。」
てな具合にね。
大切なのはいま自分のアタマのなかで起きていることを認識することです。
オペラント条件付けは意識しないと厄介な方向にいきますからね。
ブログを作って更新したけどアクセス数は0。
望んでいたものとまったく違う結果になってしまい、やめてしまう。
記事を書いても書いても評価されないから辞めてしまう。
で、ブログはもういいやって辞めてしまう。
今は良い結果がでないけど続けていれば良い結果がでるようになっていたかもしれない。
これって凄くもったいないよね。
ダイエットにしてもそう。
運動しても苦しいだけで痩せないからやめてしまう。
良い結果ってのは往々にしてすぐには出ません。
悪い結果が先にくるとオペラント条件付けによって行動しなくなります。
ブログを書くのを辞める。ダイエットを辞めるってな具合にね。
続けたほうが良いと思っていることがあるのに辞めてしまうのは、望む結果を手に入れられないので、その行動を避けようとオペラント条件付けが働いてるからです。
嬉しい事や楽しいと思った行動を続けられるのもオペラント条件付けのおかげだけど、物事には表と裏がありますからね。
自分のアタマのなかで何が起きているかを認識できれば今以上に行動をコントロールできるようになります。
だから知ることって大事。意識することって大事。
てなわけで、自分に起きるオペラント条件付けをうまく利用してコントロールしてみてね!
またね!